まず、短く答えると
Apple Watchのコア睡眠は、睡眠検査で使われる分類のN1とN2をまとめた呼び方です。覚醒から睡眠へ移る段階と、安定した比較的浅いノンレム睡眠を含みます。レム睡眠はREM、深い睡眠はN3に対応します。コア睡眠が長いだけで睡眠の質が悪いとは判断できず、1晩の割合より、睡眠時間、中断、数週間の傾向、起床時の休養感を一緒に見ることが大切です。
この記事の要点
- コア睡眠は、睡眠検査のN1とN2をまとめたAppleの名称
- N2は多くの人で睡眠の大きな部分を占めるため、コア睡眠が最長でも不自然ではない
- 深い睡眠はN3、レム睡眠はREMに対応し、短い覚醒も正常な睡眠周期に含まれる
- Apple Watchの睡眠ステージは脳波の直接測定ではなく推定値
- 1晩の割合より、睡眠時間、中断、長期傾向、本人の休養感を優先する
まず、4つの表示を対応させる
睡眠検査では、脳波、眼球運動、筋肉の活動などを使い、覚醒、N1、N2、N3、REMに分類します。Apple Watchは、N1とN2をまとめて「コア」と表示します。
- 覚醒:眠っていない状態。夜中の短い覚醒は、本人が覚えていない場合もある
- コア睡眠:N1とN2。入眠への移行と、安定したノンレム睡眠を含む
- 深い睡眠:N3。ゆっくりした脳波が特徴で、夜の前半に多い傾向がある
- レム睡眠:REM。急速眼球運動と、骨格筋の緊張が低下することが特徴
図解:一晩の睡眠は、同じ深さで続かない
一晩の流れを単純化すると、次のようになります。
【一例】覚醒 → コア(N1 → N2)→ 深い睡眠(N3)→ コア(N2)→ レム睡眠 → 短い覚醒 → 次の周期へ
実際には毎回同じ順番や長さになるわけではなく、途中の段階を行き来します。一般に夜の前半は深い睡眠が多く、後半になるほどレム睡眠が長くなる傾向があります。
なぜコア睡眠が一番長くなるのか
Appleの技術資料では、コア睡眠に含まれるN2だけで、一晩の睡眠の半分以上を占めることが多いと説明されています。「ライト」という言葉が不要・重要でない睡眠を連想させるため、Appleは「コア」という名称を選んでいます。
コア睡眠の割合は、年齢、睡眠時間、前後の覚醒、深い睡眠とレム睡眠の長さによっても変わります。たとえば総睡眠時間が短くなるだけでも、各ステージの割合は動きます。
そのため、「コア睡眠は何%なら正常」という一つの数字を、すべての人へ当てはめることはできません。
「コア睡眠が多い・少ない」は1晩で決めない
Apple Watchは、睡眠検査のように脳波や眼球運動を測っているわけではありません。Appleの公開資料では、主に手首の動きを加速度センサーで捉え、アルゴリズムで睡眠ステージを推定しています。
Apple Watch Series 8を睡眠検査と比べた独立研究では、合計睡眠時間の一致は比較的良好でしたが、個人ごとの深い睡眠やレム睡眠の合計にはずれがありました。対象は健康な成人の一晩で、睡眠障害がある人や新しい全モデルへそのまま一般化はできません。
1晩だけコア睡眠が増えた場合、実際の変化だけでなく、別のステージをコアと分類した可能性もあります。割合を合否判定に使わず、同じ機器で数週間の流れを見ます。
朝は、この順番で見る
睡眠時間を見る
まず、実際に眠れた合計時間が自分に必要な長さへ届いているか確認します。
中断を見る
長く起きていた時間や、普段より中断が増えていないかを見ます。
ステージは傾向として見る
コア・深い・レムの割合は、1晩ではなく週や月の表示で確認します。
自分の感覚を重ねる
起床時の休養感、日中の眠気、集中しづらさなど、Watchでは測れない情報を加えます。
数字より、続く症状を相談の目安にする
コア睡眠の割合だけから、睡眠障害や健康状態を診断することはできません。一方で、十分な時間を確保しても休めた感じがない、強い日中の眠気が続く、習慣的ないびきや呼吸停止を指摘される、寝つきや中途覚醒の悩みが長く続く場合は、記録を持って医療機関へ相談してください。
運転中や仕事中に眠り込むほどの眠気がある場合は、睡眠グラフの経過観察より安全確保を優先します。
参考資料
- Estimating Sleep Stages from Apple Watch — Apple
- Apple Watchで睡眠を記録してiPhoneで「睡眠」を使う — Apple サポート
- Accuracy of Three Commercial Wearable Devices for Sleep Tracking in Healthy Adults — Sensors
- Physiology of Sleep — Diabetes Spectrum
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023 — 厚生労働省
