まず、短く答えると
Apple WatchのHRVは、心臓の一拍ごとの間隔がどれくらい変化しているかを表す参考値です。HealthKitではSDNNという方法で計算され、単位はミリ秒です。1回の値を合否判定に使うのではなく、自分の過去の傾向と同じような条件で比べるのが基本です。
この記事の要点
- 心拍数は「1分間に何回」、HRVは「拍と拍の間隔がどれくらい揺らぐか」
- Appleのヘルスケアでは、HRVをSDNN・ミリ秒で記録する
- HRVは年齢、時間帯、姿勢、呼吸、睡眠、運動、飲酒、体調など多くの影響を受ける
- 他人の数字や1回の測定値より、自分の数週間の流れを見る
心拍は、メトロノームのように一定ではない
たとえば心拍数が60回/分でも、すべての拍がちょうど1.00秒間隔で並ぶわけではありません。0.94秒、1.06秒、0.98秒というように、拍の間隔は呼吸や体の調節に応じて細かく変化します。この変化をまとめたものがHRV(Heart Rate Variability、心拍変動)です。
心拍数が「平均的な速さ」だとすれば、HRVは「テンポの細かなゆらぎ」です。似た名前でも、見ているものは異なります。
Apple Watchが表示するSDNNとは
HRVには複数の計算方法があります。AppleのHealthKitは、正常な拍どうしの間隔のばらつきを表すSDNNを使い、離散的なサンプルとして自動記録します。数字の単位は通常ミリ秒(ms)です。
測定方法、測定時間、体の動き、装着状態が違えば、同じ人でも値は変わり得ます。そのため、別メーカーの指標や研究室で測ったHRVと、Apple Watchの1つの数字をそのまま横並びにしない方が安全です。
高いほど良い、低いほど悪い?
一般論だけで「何ms以上なら健康」と線を引くことはできません。HRVは年齢や個人差が大きく、時間帯、姿勢、呼吸、運動、睡眠、飲酒、薬、急な体調変化などにも左右されます。測定の乱れや不規則な拍が数字へ影響する場合もあります。
まずは同じ機器で記録を続け、「自分のいつもの範囲からどう動いたか」を睡眠や安静時心拍数、その日の感覚と一緒に見ます。HRVだけでストレス、病気、回復度を断定することはできません。
iPhoneでHRVを見る場所
ヘルスケアを開く
iPhoneの「ヘルスケア」アプリを開きます。
「検索」から心臓へ
「検索」→「心臓」→「心拍変動(HRV)」を選びます。OSの版によって表示名や位置が少し異なることがあります。
期間を切り替える
日・週・月・6か月・年などを切り替え、単発の点ではなく流れを確認します。
データソースも確認する
「すべてのデータを表示」やデータソースから、記録日時と機器を確認できます。
参考資料
- HealthKitの心拍変動(SDNN)仕様 — Apple Developer
- Apple Watchで心拍数を測定する — Apple サポート
- Consumer Wearable Health and Fitness Technology in Cardiovascular Medicine — Journal of the American College of Cardiology
